逃げれない環境作り2024
28th Dec,2024
逃げれない環境作り2024
28th Dec,2024
1年間、なんとか生き残れた。
来年の目標はなんとか生き残ること。
そんな余裕がない中で今年はたくさんのチャレンジをしました。過去数年のようにとにかく個展を開いて作品を発表していた時のような、派手で表に出るようなトピックはなかったけど、地味に幾つもの殻を破って恐る恐る新境地に足を踏み入れた記憶に残る1年でした。
なんと言っても今年は人生で一番偉大で誇らしい仕事『Mr.Children tour 2024 miss you arena tour』入場SE・曲演出に波の作品を採用してもらったことです。
ちょうど1年前。動き始めた頃が遠い昔に感じます。個人的に良かったのが写真セレクトの方法から自分のスタイルを伝えれたこと。そのおかげで色々な浮き沈みがありましたが、作家として成長させて頂きました。本当に光栄で貴重な経験となりました。
あと大きなトピックとしては撮影機材をライカに集約したことです。
1億画素中判のハッセルブラッドを2年ほど使ってきました。ただ僕がもっと突き詰めるべき世界、挑戦すべき世界、先に進むために親和性の高い世界はライカにあると決意して機材を入れ替えました。
目では見えない、見たことのない写真を撮るミッションは、常に頭のどこかしらにあります。ただ一番大切なことは「波の写真を撮り始めた頃」の純粋な気持ち。これを取り戻すことなんです。
僕はLEICA X-Uで波を撮り始めて、カメラを海に入れて写真が撮れることに純粋にワクワクしたし、当時の一丁羅的カメラセット「LEICA M10 + APO Summicron 50mm f2.0」で写した海の写真の美しさを目の当たりにして、海の中で一人で唸るように声を上げてました。今振り返っても溢れんばかりの想いがちゃんと写真に写っています。
当時の心の美しさ。その大切なモノを機材を入れ替えたくらいで取り戻せるなら投資してやるべき、そう決意した夏でした。(資金繰りかなり苦労しましたが)
実際、夏は1ヶ月と少しの期間で15回ほど海に行き、晴れだろうと曇りだろうと雨だろうと台風だろうと海に向かい「とにかく撮りたい、このレンズでどんな写真が撮れるんだろう」と、新しい機材が写してくれる新しい世界に興奮してました。
まずは僕が感動すること、人に伝える前に。
そこに尽きると改めて思いました。
全く話は変わりますが、先日ふと思い立ち自宅から皇居まで走り、皇居を一周して戻るというランニングを深夜0時頃やりました。普段から5kmも走らない僕にとっては肉体的にキャパオーバーです。もちろん辛かったんですが、1つの発見があり「何にも捉われないこと」。不安なことや辛いこと、あと期待することや浮かれること。
ただただやるべきことをやる。僕にはこの思考がピッタリとはまって、色々なやりたくないこと、めんどくさいことにトライできるようになりました。
近所の運河沿いランニングコースも1往復すれば10kmです。でも皇居まで行って1週する10kmの方が無心で走れました。これっていつでも逃げれる環境が悪さをしていて、走り出したら簡単にひけない環境。僕自身においてはこうした環境をいかに用意するかが成長の鍵だと感じました。
10月・11月には、数年の間ずっとやらねばやらねばと燻っていた「作品をテーマ毎に振り分けること」にトライしました。
波って一区切りにできない豊かな表情や姿形があります。なので無数にある表情と向き合ってそこにテーマ性を持たせようということです。普通の作家さんなら展示する度に行っていると思いますが、僕はずっと向き合ってこなかったので。
きっかけは海外に向けて作品を売り込みたいと動き出したこと。色々な出会いとタイミングが重なって急加速しました。最初は簡単なプロフィールに代表作品を10点くらいをまとめて、海外に向けてレターを送るというアナログなコミニュケーションをイメージしてましたが、信頼のおける機関を通してチャレンジ出来そうなのでWEBサイト(公開はしてません)にまとめるこちにしました。
テーマ選定・作品セレクトは全集中で3週間くらいかかりました。お恥ずかしながら仕事よりも優先度を上げて取り組みました。それくらい集中しないと進まなかったので。WEBサイトは5時間くらいで作りましたが、なかなかいい出来栄えだと自画自賛してます。
このチャレンジも先ほどのジョギングと同様「やる以外の道がない環境」を自分で作れたことが大きいです。作品のプレビューは一期一会。なので妥協はできない、ステートメントも妥協できない、もちろん英語翻訳も自分で。海外で展示をするなら英語を話せないといけないので。
途中、心折れそうになった時も大好きな言葉「未来は自分の手の中」に背中を押してもらって一旦提出することができました。
関係機関など限られた方にしか共有してないですが、反応は予想以上凄まじく、本筋ではない箇所でも何かに発展しそうなリアクションをもらえました。海外プロジェクトもまだ具体は不明ですが、関係者で揉んでくださっているようで祈るばかりです。
作品をまとめている期間「禅」について触れる機会がありました。その精神世界との出会いはとても衝撃的で不思議と違和感なく僕の内側に入ってくれました。
ランニングで15kmも走っていると身体はクタクタになり、途中歩くとすごい幸せを感じます。同じように真冬の海に入って撮影し、着替え終わり暖に無事辿り着けた時に感じる大きな安心と至福。何事においても、自分がどの視点から見て・感じているのか。そこが大切だと思いました。すでに十分幸せ・物事は足りている(レンズもカメラも足りている)。過剰に求めることをやめ、余ったパワーを海に向けて使っていきたい、来年はそうしたい。
そんな流れで下半期は怒涛でした。終盤は海にも行けてないです。ようやく身体が空きそうなので、年末どこかで、また年始もどこかで極寒の修行に行きたいと思います。
今年出会って下さった方々、変わらず仲良くしてくれる方々、クセしかないめんどくさい性格の僕に飽きず付き合ってくれる・サポートしてくれる方々に多大なる感謝をし、いつか結果を出して恩返しができるように。その時まで身を削ってでも走り続けます。