TAKUMI TANIGUCHI

カメラマンとしての深さ

24th.Jan.20

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東京に住んでいる友人。

と勘違するほど、
最初の出会いからずっと東京で時間を重ねてきた。

友人でもあり先輩でもある、写真家谷口巧氏。
谷口巧写真事務所

今日初めて、彼の拠点である京都で逢ってきた。

最初はココが東京ではないことで、何か不思議で照れ臭い感覚だったけど、
「どうも」と挨拶した瞬間、「きてよかったなぁ」と、なんか安堵した。

彼の行きつけのピザ屋さんでランチをとりながら、
写真の話、写真との向き合い方、フィルム、好きな写真家の話。

いつもいつも僕の生々しい悩みや疑問を、
熱量はそのままに辿々しい日本語表現でそのままにぶつけてしまう恒例の時間。

だけど彼はその大きな包容力で、僕にぴったりの熱い言葉をかけてくれる。

会話に熱を帯びてきた。
そんなタイミングで「作業部屋見てみない?」

僕にとってはどのガイドブックにも載っていない、
最高でとても貴重な京都観光のお誘いをいただいた。

写真を生業にしてきた。
その歴史がたっぷりと詰まった部屋だった。

アシスタント時代の話
独立して最初の仕事の話
当時の撮影段取りの話
機材やフィルム、プリントの話

苦労や苦悩の話を聴きながら、
その実際のプリントや掲載物を手に取り感じる数時間。
それはもう贅沢で、刺激的で。

でも最近写真を褒められて勘違いしてしまっている自分を、
思いっきり粉砕してくれる、それはもうパワフルな数時間でした。

Leica M10 + APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.
手放せないカメラ「ROLLEIFLEX 2.8F Planar 」

フィルム時代の経験を聞くとやっぱりカメラマンは凄まじいな。の一言。
ただただ単純に尊敬の念を示すしかない、お手上げ状態です。

最近キーワードになっている「想いがこもった写真」。

どう足掻いてもデジタル時代では経験することのない、
精神世界の深さなるものも感じざるを得なかった。

そんな念を込めてシャッターを切られた写真は、
人の心さえも突き動かす、そんな写真になるんだろう。

今と違いSNSでアップロード、
WEBサイトで掲載。

ではなく、
知ってもらうために撮り、現像して、ブックにして行動する。
写真を撮るだけじゃない、
それまでにどれだけガムシャラに人にぶつかっていって機会を勝ち取るのか。
1枚の写真にはその全てが写っているんだね。すごいわ。

今の時代の僕たちはどう立ち向かえばいいのか。。。

頭が真っ白になる。

  • Leica M10 + APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.
    積まれたフィルムや仕事の数々

  • Leica M10 + APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.
    Linhof MASTER TECHNIKA 4×5 ポラを切ってくれた

いい話ばかり聞いたはずが、
何か鈍器で頭をぶん殴られたかのような感覚。

昨年展示で僕の写真を谷口さんを初め、
たくさんの写真家の方々や観に来てくれた人たちが褒めてくれた。

「いい写真」「すごい写真」「熱量を感じる」

そして多くの方々が嬉しいことに購入までしてくれた。

ココに来るまでの自分は勘違いをしていた。
僕はいい写真を撮れるなんて。

僕がいいと思っている写真なんて、
とっくの昔に写真家の人は、カメラマンの人たちは産み出していること。

フィルムの一発勝負のような制約の多い時代を経験して、
様々な苦難・成功を歩んでききた人たちには計り知れない「深み」がある。
僕が今思っている「いい」なんて、なんの厚みもない。

「波」はきっと少しだけ「ワクワク」したんだと思う。
嘘偽りなく僕も純粋に「ワクワク」しながら写真を楽しんでた。
その純粋な部分を突き詰めるしかない。

とにかく晴天の霹靂、棒でぶん殴られそんな気分だ。

では写真を辞めるのか。
そんな訳が無い。

やるべきことはただ一つ。

「自分にしか撮れない情景を写し続ける」

それしかない。

人に良いと言われる写真でなくてもいい、
褒められなくてもいい、いいねがつかなくてもいい。
他の人と比べなくていい。

自分で自分らしく写真が撮れたら、
それはきっと人の心も動かすだろう。

そんな写真を残したい。

節目節目で大切なことに気づかせてもらっている。

友人でもあり先輩でもある、写真家谷口巧氏。

そして一方的で勝手に写真家の師匠と心の奥で思っている。

Leica M10 + APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.

谷口さんありがとうございます。

written by

1981
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